不動産を買う9 マンションのフローリングの騒音問題を考える

公開日:  最終更新日:2014/07/23

マンションのフローリング騒音に関する問題は、けっこう多いんじゃないかと思います。

マンションで生活をする以上、無音で生活をすることは難しいですよね。
歩く音、テレビ・音楽の音、子どもが走り回る音…。
マンションって、大なり小なり音と付き合っていくしかないところがありますけど、限界を超える騒音であるとして、裁判になっているケースも珍しくありません。
 
 
騒音に関する裁判例などを見ていると、よく「受忍限度」という言葉が出てきます。
  
●受忍限度とは?
生活をする上でどうしても防げない音についてどこまで我慢するべきか、ということです。
  
裁判例の一つ東京地裁平成6年5月9日の判決では、
   
「騒音等による生活妨害が社会生活上の受忍限度を超えたものであるかどうかは、平均人の通常の感覚ないし感受性を基準として判断する」という趣旨のことを言っています。
  
平均人の通常の感覚とか感受性
って何なんだ!?
と思いますけど、これが明確な数値上の基準じゃないからまた難しい。
  
 
●受忍限度ってどうやって測定する?
明確な数値の基準があるわけではないので、どうやって受忍限度かどうかを判断するかということなんですが、
裁判になると「検証」というものを行う場合があります。
 
裁判例の一つ、東京地裁平成3年11月12日の事件では、
実際に歩いたりスキップしたりしてどのような音として聞こえるか、現地で実際に実験のようなことをやっています。
その時の状況から受忍限度の範囲内かどうかを判断しているんです。
 
この「検証」の方法としてどの様なやり方を採用するかは各事件で異なるものと思いますけど、一つの参考にはなると思います。
  
また
裁判例をみているとこの受忍限度の範囲内かどうかについては、
  
どのような音か
(生活音なのか楽器などの特別な音なのかどうか、また長時間にわたるかどうか)、
 
音を発生させている者がどのような配慮をしているか
(音が響くのを防ぐためにカーペットを引いているかどうか)、
  
などがポイントになっているものもありますのでこちらも参考に。
  
   
●賃貸アパート・マンションの場合は? 
騒音問題は、なにも購入した不動産だけじゃないですよね。
賃貸マンションでももちろん起こる問題です。
  
賃貸マンションにおける騒音の裁判例ってあまり見たことがないんですが、
賃貸マンションの場合は、家賃設定などもこの受忍限度を考えるにあたっては、
一つの要素になるんじゃないかと僕は思っています。
 
家賃の安い木造のアパートである場合は、
当然、鉄筋コンクリート造のマンションと同等の防音性を求めるのは無理ですからね。
  
 
 
●不動産を買うとき(借りるとき)は、床の防音の状況を聞いてみよう。
 
フローリングの床の防音性については一応基準があって、こんな感じになっています。
※ただ、各メーカーの示している表示については各メーカーの測定値となっていて、例えば同じL45となっていても、
防音効果には差があるようなので注意が必要です。

 床衝撃音 走り回り、足音など イス、物の落下音など その他の例
 L45 聞こえるが気にならない サンダル音は聞こえる 少し気を付ける
 L50 ほとんど気にならない ナイフなどは聞こえる やや注意して生活する
 L55  少し気になる スリッパでも聞こえる 注意すれば問題ない
 L60 やや気になる 箸を落とすと聞こえる お互い我慢できる限度

※日本建築学会にて設けている基準

 

近年、実はこの「L○○」という表記を辞め、「⊿(デルタ)○○」という表記に変更されています。
各メーカーのばらつきをなくそうというもののようですね。
こちらのサイトに分かりやすくまとめてありました。

http://www.diy-shop.jp/second/carpet/kijun.html

ただし基準はあくまで基準。

実際には不動産を買う・借りる場合については、数値だけを頼りにするんじゃなく、実際に現地を確認して、仲介業者の方によく調べてもらうとよいでしょう。

 

 

参考文献

『わかりやすいマンション判例の解説』(民事法研究会)

『マンション紛争の上手な対処法』(民事法研究会)

 

 

 

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