長いお別れ

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えーと、突然ですが、この度、長いお別れすることになりました…

  
 
 
ということじゃないです、少なくとも今のところは。

 
レイモンドチャンドラーの『長いお別れ』のことですね。

 
 
とあるイギリス紳士(本人にはちゃんとわかるはずだ。このブログを見ているかどうかはわからないけど)にこの本を紹介されて、読んでみました。
清水俊二さんの訳で読んだんですが、どうも村上春樹さんも翻訳しているみたいですね。
 
 
久しぶりのアメリカ文学で、
最初は「おぉ…アメリカ文学てこんな感じだったな。」

と違和感があったんですが、
読み進めるとぐいぐい引き込まれる。
 
 
主人公は私立探偵のマーロウ。
ひょんなきっかけからテリーレノックスという若者と知り合い、世話を焼いたりする。
テリーは酒を飲みすぎていて、会うたびにトラブルを起こしているんですが、
マーロウにとってテリーは何か魅力的で引っかかる存在だった。
 
そのテリーが、ある晩、マーロウの自宅を訪れ
「僕をメキシコまで連れて行ってほしい。面倒なことになったんだ」
という。
 
実はテリーには、テリーの妻(シルヴィア)の殺害容疑をかけられていたのだ。

 

テリーは逃亡を図り、マーロウにメキシコまで運んでもらった後オクラトタンにたどり着いたところで、妻の殺害を自白する手紙を残して自殺をしてしまう。
 
でもマーロウには、テリーが妻を殺害したとはどうしても考えられないのだった…。
 
 
とこんなストーリーを軸に話が進んでいきます。

 
小説も面白いですが、
レイモンドチャンドラーの作り出す言い回しがとても面白いですね。
 
 
シルヴィアが酒に酔っぱらうテリーを心配して
「居場所が分からない…」とマーロウに電話をかけてきたシーン。
 
「…彼はラス・ヴェガス行きのバスに乗っています。友だちが仕事を世話してくれるんです」
 
「ラス・ヴェガスですって?昔を思い出したんだわ。私たちが結婚をしたところなんですよ」

「忘れたんでしょう。覚えていたら、ほかへ行ったはずです」
 
 
こんな会話の妙が随所に出てくる。
 
いい一冊でした。


P.S.
この物語はハードボイルド小説と言われているらしいですね。
僕にはいまいちよく分からなかったけど。

ハードボイルドって、もともとは「固いゆで卵」という意味らしい。
ハードにボイルされた卵ということなんでしょうけど、
なんでトレンチコート着てバーで酒飲んでるようなイメージの意味になったんだか、
そっちの方が気になる。


 

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