裁判の不思議 書類にサインをするという意味
以前、賃貸マンションを退去するときは、部屋の立会いをしましょう、なんて話を書いたことがあります。 そのときに、見積書・確認書などの書類に安易にサインしないように…などという話もしました。 これはどういうことでしょうか?
今日はもう少し、つっこんで話をしてみようと思います。
文書にサイン(印鑑も同様ですね)をする…ということは、どういう意味か…? ということを考えないといけません。
文書に残す…ということは、後々のモメ事になった場合に備えて証拠として残すということですね。
それでは、文書とは、「裁判」でどのように扱われているか?
裁判においては、 文書にサインをした場合は、原則として、
「署名・押印をした文書については、私は、その文書に記載していることは、すべて認めました。」
ということで扱われることになります。
普通、僕らは、文書の中身を全部確認しないまま、業者の方に「この書類にサインしてください」 なんて言われて、ちょくちょく、サインしますね。
そのなかにこちらの意図しないことが書いてあったら…。 裁判では、「文書に書いてあることは、全部了解済みだから、サインしたんでしょ!?」ということになってしまうのです。
これは、けっこうコワくありませんか? (裁判官だって、いろんな契約するときに、全部読まないで契約しているんでしょう…などと言いたくもなりますが…。)
裁判になったときに、この原則をひっくり返すのは、なかなか骨の折れる作業です。
賃貸借の退去の時に、業者が書類にサインを求めてくるのは、 仮に裁判になったときに、証拠として使う(ちゃんとリフォーム費用を支払うって約束したじゃないかと…)、という意味に、ほかなりません。
では、急にサインを求められたときはどうしたらよいんですか?ということになるんですが、 時と場合によりますが、 「そんなときは、『内容をよく確認してから、後日サインしてお送りします』と答えたらどうですか」 とアドアイスすることがあります。
ご相談のかたで、文書の内容が気になるときは、 事務所に書類を持ってきてもらって、一緒に内容を確認したりすることもあります。
書類にサインをする…という意味をよく考えないといけませんね。
この話は、賃貸のときに限りません。 全ての場面でそうなのです。
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