悪質商法の被害救済

公開日:  最終更新日:2014/05/30

消費者被害にあわないために

■これってデート商法!? 20代男性のケース

■自宅を訪問!?高齢者を狙った悪質商法 70代女性のケース

■エステの契約をなんとかしたい…20代女性のケース

■ファンドってなんですか?70代男性のケース


こんなケースで困っていませんか。

クーリングオフ、契約の取消という方法があります。

悪質商法の手口は、年々巧妙化してきています。
しかし、泣き寝入りをしてはいけません。中にはクーリングオフをしたり、契約を取り消したりすることができる場合があります。
ここでは、被害となっている4つのケースをみながら、解決策をご紹介します。


これってデート商法!? 20代男性のケース

最近、一人暮らしをはじめたのですが、友達もいなくて…
そんなとき、ネットで知り合った女の子とメールのやりとりをしているうちに仲良くなりました。最初はメールだけだったのですが、「会いたい」とメールをもらい、会うことに。
ご飯を食べに行って話を聞いていると、「私、実は宝石の販売員をしているんだけど、今月はどうしてもノルマがキツくて…。助けてくれないかな!?ホントは100万円するものだけど、今日だったら30万円でいいから」と言われ、何とかしてあげたいと思い、30万円もするネックレスを買ってしまいました。
でも、翌日から連絡がつかなくなって…。これは騙されているんでしょうか?

このようなケースを一般にデート商法などといいます。
ネックレスを販売する目的を隠して、交際を装いながら近づいて来ており、訪問販売の一種であるアポイントメントセールスとして、特定商取引法の規制となる可能性があります(特定商取引法第2条1項2号)。

■「訪問販売」って?

1訪問販売とは事業者の営業所以外の場所で事業者が契約の申し込みを受けたり、契約をしてしまう販売方法です。

2「事業者の営業所」で契約しても、訪問販売になる場合があります。
「訪問」という言葉に惑わされないで…ダマシの手口に気を付けよう!
事業者によっては、営業所などに言葉巧みに連れ込もうとすることもあります。

●街角で、「簡単なアンケートに答えてもらえませんか?」などと声をかけてきてお店に連れ込もうとするケース。

●「無料!着物の着付け教室やります」などのビラを作って、販売の目的を隠したりして、お店に呼び出すケース。

このようなものも法律では、訪問販売の一種として、規制の対象としています(特定商取引法第2条1項)。 「訪問」という言葉に惑わされずに。

クーリングオフについて
意外と知らないクーリングオフのルール

訪問販売などのケースでは、クーリングオフをすることができます。クーリングオフとは、理由なく契約をやめることができることをいいます。

1クーリングオフは、いつまで?

法律の規定を守っている契約書面を受領してから、8日間はクーリングオフができます。
例えば、今日(月曜日)に契約をしてしまったら、来週の月曜日まで、クーリングオフが可能です。

※問題は、「法律の規定を守っている」書類を受け取ってから、8日間となることです。
裏を返せば、相手の業者が、ずさんな契約書を作っていた場合は、契約をしてから8日間を過ぎてもクーリングオフができるのです。クーリングオフができるかどうかが争いとなった裁判では、契約をしてから1年ほどしてからク ーリングオフを認めたケースがあります。8日間を過ぎていてもあきらめずにクーリングオフができるかどうか、検討をする必要があります。


2相手の業者に「この契約はクーリングオフできないんですよ!」なんていうことを言われたら…。

相手の業者は、クーリングオフされると困りますので、何とかクーリングオフさせないようにしてくることがあります。
このようにクーリングオフを妨害する行為があったときは、相手の業者がクーリングオフの妨害行為をやめて、改めてクーリングオフできますよ、という説明書を交付するまで、クーリングオフができます。
諦めずに、クーリングオフができるかどうか、じっくり検討しましょう。


3 クーリングオフは、どのようにするの?

クーリングオフは、内容証明郵便で送ることをお勧めします。
相手の業者は、「クーリングオフする書面なんてもらってないよ」というかもしれません。クーリングオフは、書類を発送したときにその効果がありますが証拠が残るようにしましょう。


(通知書の記載例)
○○○○会社 御中

私は、貴社の販売員○○氏の勧誘により下記の契約をしましたが、解除します。
私が支払った代金 金○○円は、返金してください。
受け取った商品は、お引き取り下さい。
             
契約年月日 平成 年 月 日
商品名○○○○

平成 年 月 日
住所 福岡市○○区○丁目○番 
氏名         ㊞ 

■契約を取り消そう!

その契約は、最初からなかったことにできるかもしれません。
クーリングオフのほかにも、法律で決められた武器が消費者にはあります。
訪問販売の取引では、業者がセールストークで事実とは違うことを言って勧誘し、消費者が誤って契約をしてしまったときには、その契約を取り消すことができる場合があります(特定商取引法第9条の2)。
今回のケースでも、通常価格での販売の実態がないにもかかわらず、安く見せかけていたなどの事情があれば、契約自体を取り消すことができる場合があります。
このようなだましのセールストークに引っかかってしまい契約を結んでしまったときは、契約を取り消すことができるのです(つまり、契約を最初からしていなかったことにできるのです)。

※そのほかにも、消費者契約法という法律もあり、訪問販売のときと同じく契約を取り消すことができる場合があります(消費者契約法第4条)。


自宅を訪問!?高齢者を狙った悪質商法 70代女性のケース

70歳代女性のケース
私の母は、一人暮らしをしています。娘である私はたびたび実家に帰っているのですが、その際に不審な請求書を見つけ、母に尋ねてみました。
話を聞くと、先日、セールスマンが自宅に来て、「自宅の排水溝が詰まっているので、このままだと雨水が流れなくなる、これはちゃんと工事をしないといけない」などと言い、契約をすすめて来たそうです。
母はその話を信じて、50万円もの契約をしてしまっていました。私が見るところ、排水溝なんて詰まっている様子はなく、水の流れが悪いなんてこともありません。こんな契約、解約したいと思っていますが…。

■お一人暮らしのご自宅はお気をつけください。

近年、高齢者の自宅を狙い、このように自宅の修理・修繕などをする必要があるなどと言って不当な工事等の契約をさせるケースがあります。
内容によっては、上記でご紹介したクーリングオフ、契約の取り消しなどができることがあります。詳しくは、こちらをご覧ください。
クーリングオフについてはこちら
契約の取り消しについてはこちら
また、ご高齢者のご家族の方で、このような被害に気付いたり、少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、お気軽にご相談ください。

■高齢者を狙ったトラブルには…

成年後見制度の利用を検討することも一つの方法です。 最近は、おひとりで生活をされる高齢者の方も増えています。このような方々を狙う悪質業者もいます。
もし、契約をするといった行為について、ご自分では判断ができなくなっている高齢の方がいらっしゃったら、成年後見制度を利用して、法的にサポートする方(後見人等)と一緒に今後の生活のことを考えていくこともできます。
成年後見の制度については、こちらをご覧ください。

エステの契約を何とかしたい… 20代女性のケース

来年結婚をする予定なのですが、「ブライダルエステを無料体験しませんか?」などと結婚式会場の方に勧められ、昨日、提携しているというエステサロンを訪れました。
「無料なのでよかったら気軽にどうぞ」ということだったので、サービスを受けていたのですが、サービス中なのに契約のコースなどの話がずっと続き、「この辺でもう結構なので帰りたいのですが…」と勇気を出していってみたものの、帰るに帰れなくなってしまって、多額の契約をしてしまいました。
何とかなりませんか?

■実は、これも訪問販売の一種に該当する可能性があります。

無料のブライダルエステの体験と謳って誘い出している点からすると、契約をする目的を隠して誘い出す訪問販売の一種(アポイントメントセールス)に該当する可能性があります。
また、エステなどの契約は、法律的には、「特定継続的役務」という特別に規制のある契約となります(特定商取引法第41条)。
今回のケースでは、クーリングオフをすることが可能であると考えられます(特定商取引法第9条または第48条)。詳しくはこちらをご覧ください。

■帰りたいのに帰れない…

「帰りたい」と伝えているのになかなか帰らせてもらえない、どうしようもなく契約をしてしまった…、というケースもあります。
このように退去妨害行為があった場合には、契約を取り消すことができる場合があります(消費者契約法第4条3項2号)。

ファンドってなんですか? 70代男性のケース

私は、一人暮らしをしているのですが、ある日、知らない会社(A社)からパンフレットが届きました。パンフレットには、A社が取り扱っている投資に関する資料が入っていました。
A社なんて知らないなぁ、何でうちにパンフレットが来るんだろう、と思っていたところ、今度は、また別のB社を名乗る人から電話があり、「A社の取り扱っているファンドは、A社から勧誘があった人しか購入できないんです。もし、A社の取り扱っているファンドを購入されるのであれば、高く買い取ります。」ということでした。
これは大丈夫な取引なんでしょうか?

近年、未公開株に関する詐欺的なトラブルが多くありますが、このファンドをめぐるトラブルもその一つです。
事例のように登場人物が複数登場して、もっともらしく見せかける手口です(劇場型勧誘などと言われたりします)。
金融商品取引法では、今回の例のようなファンド等について、販売、勧誘などを行う場合は、原則として、登録を義務付けています。
登録をせずに一般の投資家を相手に勧誘を行うことは、法律に反する可能性があります。
登録の有無を確認して、無登録業者とは取引などはせず、また、「買い取る」などと言う話を持ちかけてくる業者に対しても、そのような話は絶対に信じないで、契約をしないように注意してください。

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

コメントは受け付けていません。

PAGE TOP ↑