不動産を買う その3 土地の境界のことを知っておこう
不動産を買うと題して、1,2と記事を書きました。
以前の記事はこちら。
「不動産を買う」では、登記簿に記載のある土地の面積は、 必ずしも正確ではない…という話をしました。
ということは、
「登記簿からすると、ウチの敷地は、○○㎡あるはず。 でも、実際には狭いように感じる…。 隣の土地の持ち主が、ウチの土地に越境して使っているんじゃないか…」 などと考えたとしても、
必ずしもそうではないということになりますね。
実はこの話、結構長くなりますので 今日は、「そもそも土地の境界ってなに?」というところから始めたいと思います。
●土地の境界には、「筆界」と「所有権」の境がある。
「筆界」とは、不動産登記法123条1号にて定義づけされています。
「表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する他の土地との間において、 当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた2以上の点及びこれらを結ぶ線をいう」 とされています(言葉が難しい…)。
「筆界」とは、公法的に(「国が法律的に定めたもの」とでも言いますか)で、 例えば、土地の隣同士の所有者が「お互いに、モメるのもなんだから、ここを筆界ということにしておこうよ」 ということはできない…、ということになるんです。
これに対して、「所有権」。 所有権とは、平たく言えば、その土地を自由に使える権利のことですね。 土地の境界との関係で言えば、「自由に使える土地の範囲は、どこまでか」ということになります。
こちらは、お隣同士、お話合いで、土地の所有権の境を定めることも可能となるんです。
仲の良いAさんとBさん兄弟。
Bさんが、ブロック塀を建てて、長年、生活をしていたんですが、 ある日、筆界を確認したところ、図のとおり、筆界は違うところにあり、 Aさんの土地の中にブロック塀を建ててしまっていた。
AさんとBさんは、 長年、お互いこのまま利用していたこともあるので、 所有権の境は、ブロック塀のところにしよう、赤で示したところは、これまでどおり、 Bさんが使っていていい とする話し合いをした…。
こんな場合、土地の筆界は、ブロック塀のところになるか、というとそういうことはありません。 筆界と所有権の境は、別物だからです。
だいたいのケースでは、土地の筆界と所有権の境って同じであったりするのですが、 必ずしもそうはなっていないケースもある…ということです。
この続きは、また次回に。