ニュースにみる 敷金返還を法制化?
トラブル多発 敷金を法規定へ
2014年8月15日(金)9時19分産経新聞
これまで敷金の返還をめぐる記事はいろいろ書いて来ましたが、法制化しようとする動きがあるみたいですね。
福岡市の消費生活センターの統計をみても相談内容の割合のランキングで毎年2位とか3位に位置している、相談の多い問題です。
●特約をどうする?
この問題は言うなれば「古くて新しい」問題ですね。
「普通に生活をして付いた汚れは、借主が賠償する必要はない」という基準は昔からあったんですけど、なかなか浸透しない。
国土交通省の前身の建設省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を取りまとめたのは平成10年。
その前にも賃貸借契約の標準契約書を作成してみたりとこの基準化を図ろうとしては浸透せず…ということを繰り返して来ているんです。
問題になるのは、いつも契約書にある「特約」の存在。
特約があった場合、その特約をどう解釈するか、それが有効なのかで争いとなるんです。平成23年に最高裁で判決のあった敷引特約なんかはその際たるものです。
敷引特約とは、例えば、敷金の3カ月分のうち2ヶ月分は返しません、というのが契約内容に特約として盛り込まれている、その特約のことをいいます。
この敷引特約について最高裁はなんと言っているか。
特約に敷金から一定の金銭は返さなくてもいいと書いてあれば、 原則有効とするという判決になってるんです。
今回、仮に法制化にこぎつけたとしても、この特約の存在を認めるのかどうかにまで踏み込まないと実効性のあるのものにはなりません。
●問題はもう一つある。
問題はもう一つあるんです。
長年住んでいた賃貸物件は普通に生活をしていても汚れるもの。
これを入居者の不注意や使用方法の悪さで付いたものとして過大な賠償を求めてトラブルになるケースもかなり多い。
ここについてもガイドラインでは、一定の基準化を図ったり、減価償却の考えを示したりを工夫をしてるんですが、こちらもなかなか浸透しませんね。
今回の法制化の議論のなかでどこまで踏み込んで議論が行われるか、注目です。
こちらも ご覧ください。
ps
追加します。以下もご参考に。
「契約書に書いてあります…」は要注意!敷金の清算・修繕費用の事で損をしないために