未成年者が「あなたは20歳以上ですか」にタップしたらどうなる?

公開日:  最終更新日:2014/08/05

先日書いた 「子どもも大人も要注意!スマホのトラブルについて」 の続きです。

前回は、子どもがスマホのゲームをやっていて、 親のカードを勝手に使っちゃってたらどうなるか…なんて話をしました。

その時に「未成年者取り消し」の話も。 法律では、未成年が契約などをするときは、親の同意が必要とされています。 親の同意がなかった場合は、あとで契約を取り消すことができる… ということになっている…という話でしたね(民法5条)。

今日は一歩進んで、もう一つの法律を紹介します。

未成年者が、成人であると信じさせるために「詐術」を用いたときは、 取り消しはできない(民法21条)。

  ゲームなどを進めていって有料のアイテムを購入する場合、

「あなたは20歳以上ですか」   

とうものにタップしていたら、どうなるんだろう…ということです。

これは、先ほど紹介した 「詐術」に当たるのか…。   これも難しい問題なんです。

最近、ゲーム事業者なんかは、

「『20歳以上ですか?』という問いに『ハイ』とタップしているんだから、 未成年者取り消しは認めませんよ」

と言ってくるケースもあるとか。

このあたりは、 未成年者がゲームを利用していた時の状況などをお聞きしながら、 交渉を進めていかないといけない、ということになるでしょうね。

先日のカードの話もそうでしたが、 新しい問題は、ズバリ!の裁判例などがありませんので、明確な結論は言えないんですが、

未成年者取り消しが使えるかどうか、 泣き寝入りするべきじゃないですし、 検討をしていかねばなりません。
「単なる黙秘は詐術にはならず、他の言動と相まって相手を誤信させ、誤信を強めたときは、詐術に当たる」
「詐術に当たるとするためには、(能力があることを)信じさせる目的をもってしたことを要する」 なんて裁判例もありますからね。

そもそも、未成年者を対象とした(未成年者も遊べる)ゲームをスマホで配信して、 有料アイテムなども割と簡単に決済できてしまう仕組みとなっているなかで、 未成年者の行為をどう考えていくか、 (未成年者をどのように守っていくか)
そういうことを考えた上で、このケースが「詐術」に当たるのかどうか、 問題の中身に踏み込んで検討する必要があると思うんです。

お困りの方がいらっしゃったら、 一緒に考えてみましょう。ぜひご相談を。  
TEL:092-761-3203
またこちらもどうぞ。

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